苔の魅力にハマった!初心者でも簡単!身近な苔の特徴、観察・採取方法を紹介します

植物

こんにちは。テツロウです。

春だし、何か新しいことを始めたい!と思い、以前から興味のあった「苔テラリウム」にチャレンジしてみることにしました。

テラリウムは、大地や陸地を意味するラテン語の「テラ(terra)」と、場所を意味する「リウム(-arium)」を組み合わせた言葉で、陸上の植物や小動物を、ガラス容器などの中で栽培・飼育することを指します。19世紀のイギリスで誕生したそうです。

私は元々植物を育てるのが好きで、観葉植物をいくつか育てているのですが、ガラス容器の中に世界を作り出すテラリウムに憧れており、今回チャレンジしてみました!

苔テラリウムを作り始めて1ヶ月ほど経ち、何となくそれぞれの苔たちの特徴が掴めてきましたので、初心者でも簡単にできる、苔の見つけ方、採取方法、苔テラリウムの作り方をご紹介します!

まずは苔の見つけ方からご説明します。
苔というと、多くの方は日々、気にも留めずに生活されているかと思います。寺院などで、苔むした岩や参道を見て、「なんかきれいだな〜癒されるな〜」などと思っても、そこにルーペを持って近づいて「ムム、これは珍しい苔だ…!」なんてことはやりませんよね。私もそうでした。
なんというか、苔は風景の「脇役」だと思っていたんですよね。

そんな私ですが、苔テラリウムを始めよう!と決めてからは、まずはこの「脇役」たちをじっくり観察してみることにしました。

苔を観察してみた!

「苔」にフォーカスしてみると、意外と身近に見つけられることに驚きます。苔は薄暗い、ジメジメした場所に生えていると思い込んでいませんか?実は、明るいところが好きな苔もあるんです。ここでは、私の狭い生活圏の中で見つけた苔を紹介していきます。

ちなみに、私が愛用している、苔の観察や苔テラリウム作りの参考になる本はこちら。

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苔データの見方
明るさ:育てるのに必要な明るさの度合い
 ★☆☆ 日陰
 ★★☆ 半日陰
 ★★★ 明るい
テラリウム向け:室内で、ガラス容器で育てるのに向くかどうか
 ★☆☆ あまりオススメできない・難しい
 ★★☆ 正しく管理すれば可能
 ★★★ 初心者でも簡単

道端に生えていた苔

まず見つけたのは、アスファルトの端に生えているこの苔。
こんもりしていて、私のイメージする苔そのまま!

スナゴケ

最上部の塊がギンゴケ、中央と下はスナゴケと思われる

明るさ:★★★
テラリウム向け:★☆☆

画像の中央と下の塊が、「スナゴケ」という苔です。水を与えると葉が星のように開くのが特徴。

中央部分は乾燥して細くなった状態。下段の塊は、霧吹きで水をかけた後。見た目が全く違いますよね!
スナゴケは、強い光や乾燥への耐性が高い苔。乾燥すると細く枯れたようになってしまいますが、水をかけると復活!待ち焦がれた水を得て、見る見るうちに葉が開く姿がなんだか健気に見えてきて、癒されます。ぜひ一度見てほしい!

しかし逆に言うと、スナゴケは強い光を好むため、室内管理では明るさが足りず、密閉容器では熱がこもりやすいため、テラリウムにはちょっと不向きな苔のようです。

ギンゴケ

明るさ:★★★
テラリウム向け:★☆☆

上の画像の最上段にあるのが「ギンゴケ」。その名のとおり、先端の方が銀色に光っているように見えます。

スナゴケと同じく、強光・乾燥に強く、さらに高温にも耐えられる非常に丈夫な苔。それゆえに、都市部を含めいろいろな場所に生えているようです。こちらも、スナゴケと同じ理由で、テラリウム向けではなさそう。

実家の周辺で見つけた苔

次に、実家(ど田舎)の周辺で見つけた苔です。実家の裏や、林の近くで採取しました。家の裏ってジメジメしていて、蛇やムカデがいそうで普段は近寄らないのですが…苔が生えるならこういう場所でしょう!と思い切って突撃。

コツボゴケ

明るさ:★★☆
テラリウム向け:★★★

こちらは、実家裏の比較的明るい場所に、雑草と混じって生えていました。下で紹介する「ジャゴケ」とも一緒に生えており、湿った場所が好きなようです。

みずみずしい透明な葉が美しい!直立茎(立つ茎)と匍匐茎(這う苔)を合わせ持っており、岩や流木に這わせることができるよう。

通気のある容器で育てるといいようで、初のテラリウム向けの苔を発見してテンションが上がりました!現在、私の苔コレクションの中で随一のお気に入り。環境に馴染んだのか、にょろにょろと葉を伸ばして成長しています。溶岩石に這わせようとチャレンジ中。

ナミガタタチゴケ

明るさ:★★☆
テラリウム向け:★★★

こちらは、実家裏の石垣の隙間に、シダやユキノシタと一緒に生えていました。
星型の葉が広がってかわいいです。スナゴケの大きいバージョンみたい。
ルーペで観察すると、コツボゴケと同じ透明感のある葉ですが、横向きの筋がたくさん入っています。これが筋が「ナミガタ」の名前の由来。

密閉しない、蓋のない容器で調子良く育つようです。他の苔と組み合わせて風景を作るのに役立ちそう!

ジャゴケ

明るさ:★☆☆
テラリウム向け:★★★

こちらは、実家裏の中でも際立ってジメジメした、薄暗い場所に生えていました!
「蛇苔(ジャゴケ)」の名のとおり、蛇のうろこのような模様が入ったパンクな苔です。
ドクダミのような独特の匂いがあるようですが、場所柄、匂いが分かるまで地面に近づく勇気はなかった…。

日照をあまり求めない苔なので、室内での栽培には適しているようです。見つけた時は、「本当に蛇のうろこだ!」とテンションが上がって、広角泡を飛ばす勢いで家族に報告したのですが、蛇があまり得意ではないので、採取は見送り。

ヒノキゴケ

コツボゴケ、ユキノシタとともに密閉型テラリウム容器で管理中

明るさ:★☆☆
テラリウム向け:★★★

こちらは、家族が散歩中に見つけて採取したようで、正確な採取場所が不明です。

別名、イタチノシッポ。その名のとおり、イタチの尻尾のような、ふさふさした苔です。背が高いので、苔というより草のようにも見えますね。テラリウムで育てやすく、木立のような見た目から、テラリウムの中で「木」を表現するのに使われることもあるようです。

オオシラガゴケ

明るさ:★☆☆
テラリウム向け:★★★

こちらも、家族が散歩中に発見。

「白髪」の名の示すとおり、白っぽい苔です。大型の苔なので、「白髪」というよりも、「おじいちゃんの立派な白髭」といった印象。日陰を好み、徒長しにくい苔で、密閉型のテラリウムに向いています。

ホウライスギゴケ(推定)

明るさ:(検証中)
テラリウム向け:(検証中)

こちらは、用水路の側壁にスナゴケと混じって生えていました。この用水路は、歩道から一段下がった場所にあり、時間帯によっては日光が当たるが、やや薄暗い場所といった感じです。

非常に小さく背も低いのですが、ホウライスギゴケは、斜面などに生えると葉が垂れ下がって伸びるようで、もう少し背の高い(長い?)苔のようです。見た目からホウライスギゴケと推定しましたが、もしかすると違う苔かも…。

調べてみるとホウライスギゴケは日陰性のスギゴケということですが、育てる際には明るい場所がいいと書いてある記述と、暗い場所を好むという記述が混在しており、どちらが良いのか現時点では不明。

我が家では、通気のある容器・デスクライトの下で管理していますが、採取から約1ヶ月半ほど経った今でも、特に変化がない状態です。今後、変化があれば追記します。

スギゴケ(ウマスギゴケ)

試験管型の容器で管理していたら、激しく徒長した

明るさ:★☆☆
テラリウム向け:★★☆

田舎って、家屋とは別にトタンで出来た物置小屋みたいなものがありませんか(ありますよね?)。こちらはその小屋の近くに生えていました。

名前のとおり、杉のような見た目で、ヒノキゴケよりもツンツンした触り心地です。

ヒノキゴケと同じ環境で育てていたら、あっという間に徒長(植物が間延びして育つこと)してしまいました。調べると、入手は容易ながら、育てやすい苔ではないようです。

苔観察・採取に必要なものと、採取方法、採取の注意点

観察に持っていくものはこれ!

苔観察には、下記のような物を用意しましょう!

  • ルーペ
  • 霧吹き
  • カメラ(スマホでOK)
  • ノート

苔は小さいので、観察のためにルーペは必須です。拡大率が低すぎず、ピント合わせが簡単な、10倍ルーペがオススメ。ルーペごしにスマホで撮影もできますよ。

霧吹きは何に使うの?と思われるかもしれませんが、苔は乾いている時の姿と、湿っている時の姿が全く異なります。霧吹きで水を与えることで、湿っている時の姿も観察できます。

ノートは、野外使用にも耐えられるタフなものがオススメ。代表的なものはコクヨさんの測量野帳ですね。価格もお手頃なので、持っておいて損はありません。イラストは苦手…という人も、苔を採取した場所をメモしておくのに役立ちます。

採取に持っていくものはこれ!

苔観察に必要なものに加えて、下記のものを用意しましょう!

  • ヘラ
  • ピンセット
  • 保存容器(蓋付のプラカップやタッパーなど。紙袋でもOK)
  • フリーザーバッグ(無くてもOK)

苔採取の必須アイテムはヘラ。苔を剥がすのに使用します。1本ずつ採取する時には、ピンセットが役立ちます。

私はこれらの観察・採取セットをまとめて、フリーザーバッグに入れて持ち歩いています。水漏れを気にしなくていいので安心です。

苔の採取方法

苔を採取するときは、用意したヘラで苔を剥がすように採取しましょう。小さな苔であれば、ピンセットでの採取もオススメです。

ヘラやピンセットで採取した苔は、保存容器に入れて持ち帰りましょう。蓋付の容器(またはフリーザーバッグなどの密閉できる袋)に入れておくと、湿度が保て、元気な状態を維持できます。
私は100均で購入した小さなプラカップを使用しています。蓋が付いているので、土や湿り気も気にならずオススメ。

ただし、苔はすぐに乾燥してしまう反面、水を吸収すると復活するという特徴があるので、紙袋などでも代用できます。

苔を採取するときの注意点

自然公園・国有林では、苔を採取してはいけません。私有地での採取には、土地主の許可が必要です。寺院などでは苔を大切に守り管理しているところもありますので、そこから採取するのは絶対にやめましょう!

また、苔を採取する際は最低限の量に留めましょう。苔はコロニー(群生)を作って生きています。ごっそり採取してしまうと、コロニーが崩れ、その場所で生きていけなくなってしまうこともあります。
マナーを守って苔テラリウムを楽しみましょう。

採取した苔たちと、現在の様子

4月から苔採取を始めて、1ヶ月半あまり。我が家の苔たちは概ね、元気に育っています。
それぞれの苔たちが好む環境を把握する目的と、自家で増やしたいと思っているので、別々の容器で管理しています。

ヒノキゴケ、コツボゴケ、ユキノシタのテラリウム(上から撮影)

ヒノキゴケ、コツボゴケは調子良く育っているので、実家で採取したユキノシタと一緒に寄せ植えにしてみました。コツボゴケは溶岩石への着生にチャレンジ中です。

他の苔たちも、少しずつ育って、増えてくれたらいいな。

これから暑くなってくるので、テラリウム内が蒸れないように管理していかなくてはなりません。

夏の管理方法と合わせて、今後も経過報告をしていきたいと思います。

皆さんもこの記事を読んで、苔に興味を持っていただけたら嬉しいです!魅力的な苔の世界にぜひ踏み出してみてください!

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